画像提供元
作家/制作者
作品名/資料名
クリア
閉じる

作品詳細

クレジット表記
©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
ご利用上の注意
ご利用内容により、画像提供元(美術館・博物館等)から事前に許可を得ねばならない場合があります。
コレクションNo.
TFM000887
作品No.
1963-AB108
画像No.
01963m
 
 
作品名
トゥーロン湾の眺め
作品名欧文
View of Toulon Harbour
 
 
作家名
マルケ、アルベール
作家名欧文
MARQUET,Albert
 
 
年代
20世紀前半
制作年
20世紀前半
材質・形状
油彩、カンヴァス
寸法
49.5×60.5cm
 
 
所蔵先
東京富士美術館
画像データ
22.2MB
解説
マルケは、マティスなどとともにフォーヴィスムの代表的画家の一人に数えられているが、本質的には色彩の強烈さよりは、微妙なニュアンスの諧調にいっそう鋭敏であった。後期になると、その色彩は更に柔らかさを増していった。マティスの親友であった関係から、フォーヴの運動に参加はしたが、グループからは距離を保っていた彼は、その気質からして、コローやクールベの伝統に連なる写実主義者であった。マルケの才能は、情景を澄明な明晰さをもって表わすことにあった。港の風景は、彼が好んで描いたテーマの一つである。本作においてマルケは、穏やかな色調を用いて、温暖で陽光あふれる南仏の入り江を描き出している。トゥーロンは、フランス南部の地中海に臨む軍港都市で、マルセイユの東方約50kmほどのところに位置し、西から東に突き出す岬によって守られた湾に面している。セザンヌが制作をしたエクス・アン・プロヴァンスにもほど近い。16世紀にアンリ4世が港と城を整備し、海軍工廠を設置してより、軍港・造船工業都市として発達し、フランス革命では王党反革命派の拠点であった。マルケは友人のマンガン、カモワン、マティス、シニャックらとともに、1905年、南フランスを旅行したことがあり、本作はその時の取材によるものではないかと推測される。パリのポンピドゥー・センター(国立近代美術館)に1905年頃に描かれた《南仏の風景、アゲーの眺望》という作品があるが、木の間越しに海と半島を描いた視点や筆のタッチは本作と似ている。初期の画風の典型を示す作品のひとつである。