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作品詳細

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©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
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コレクションNo.
TFM000008
作品No.
1097-AB36
画像No.
01097m.tif
 
 
作品名
赤い服の女
作品名欧文
Young Woman in Red Dress
 
 
作家名
ピエール=オーギュスト・ルノワール
作家名欧文
Pierre-Auguste Renoir
 
 
生没年
1841‐1919
 
 
年代
1892年頃
制作年
1892年頃
材質・形状
油彩、カンヴァス
寸法
65.4×54.5cm
 
 
所蔵先
東京富士美術館
画像データ
16.9MB
解説
本作には、ルノワールが好んだ〈赤い色〉〈美しい服〉〈若い女性の肌〉〈穏やかさ〉といった要素を見つけることができる。また黄色い帽子も大切な脇役で、ルノワールの絵画にしばしば登場するポイントのひとつとなっている。この絵が描かれたと思われる1890年代前半は、ルノワールがいわゆるアングル風の「古典の時代」から「真珠色の時代」と呼ばれる新しい画風を確立しつつあった時期にあたる。彼はいよいよ晩年の様式の完成に向かって、新たな一歩を踏み出していく。1880年代の「古典の時代」での厳格な線による写実主義はすでに影をひそめ、本作にも見る事ができるように、輪郭線は流れ去り、衣服は震えるような色調を帯び、人物は背景とともに光の中に溶け込むかのようである。そこには、柔らかで、穏やかな眼差しの、まるで果実のような典型的な〈ルノワールの女〉がある。人物と背景は、互いに影響しあい、光の中で融合するかのようで、遠近法は失われ、空間は平面に近づいている。色彩はモノの固有色にしばられずに、色そのものの美しさが画家のテーマとなっている。モノの形によってではなく、色彩の輝きによって見る者に働きかける。ルノワールの作品に見られるこれらの特徴は、ジャン・クレイが『印象派』の中で分析したように、印象派の画家が伝統的な絵画法を解体して獲得した全く新しい視覚の喜び、ともいうべきものである。なおこの作品は、ベルネーム=ジュンヌ画廊、デュラン=リュエル画廊というルノワール作品を取り扱った最大手の画商から世に出た経歴が残っている。