作品詳細

コレクションNo.

TAM001127

作品No.

巻物９９－２５

画像No.

47719-0

 

 

作品名

織田信長黒印状 河尻秀隆宛 (天正十年)三月一日

 

 

作家名

織田信長

作家名欧文

Oda Nobunaga

 

 

年代

天正１０年

制作年

１５８２年

寸法

縦16.0　長101.8

 

 

所蔵先

徳川美術館

画像データ

10.0MB

解説

信長は信州諏訪にいる信忠付きの家臣河尻秀隆に宛て、信長自身は天正10年（1582）3月5日に出陣する予定である、外聞はあてにならないので勝頼軍を弱い敵とあなどってはいけない、などと指令を発している。書状が書かれた3月2日時点で、信忠勢は高遠城（現・長野県高遠市）を包囲、翌日、多大な犠牲を出しながらも落城させる。一族の離反が相次ぎ、武田勝頼は新府城（現・山梨県韮崎市）を放棄、一族の小山田信茂を頼り、岩殿城（現・山梨県大月市）を目指すが、小山田の裏切りにあって、3月11日、天目山（現・山梨県甲州市）で自害し、名門武田家は滅亡した。

　廿六日書状、今日朔到来令
　 披見候
一 去廿一日、跡々伝城我々出馬以
前可相拵候由申遣、書状廿五日
参着候て、城介其外にも
申聞之由候、其後も此儀専一候
間、度々申遣候、猶々無由断可
其調儀事簡要候
一 我々事、来五日可出馬候、然者
やかて其面へ可参陣候條
見計、手間不入可打果候
弥成其意、度々如申聞、聊
爾之動仕、少々も越度かましく
候て、外聞実儀曲事候
幾重もく弱敵あな
とりては不可然候儀肝心候
呉々可成其意候
一 森勝三・梶原平八郎如言
上、自此方も申聞候、猶以
同篇之由曲事候、先度も
如申聞、わかきものにて
規模たてを仕、訴訟の種に
もと存事にて可有之候
是も我々いまた無進発
故候、城介堅申付候、毎
事沙汰之限候、如此之段も
信長発足候者、不可有異儀候
右如申、其内只今陣取能々
取堅、あとく仕置以下相
急候て可相待候
一 高遠町令調儀、焼候由
可然候、尚々色々子細等有之
由候、始末示合可計策候
以是も卒爾之動可思惟
事専一候
一 城介其外瀧川・小川・苅屋
高橋衆陣所之儀も聞届候
其よりさきへは不可出候、猶
様子可見届候也

三月一日 信長（黒印）

河尻与兵衛殿