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徳川美術館所蔵 ©徳川美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
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コレクションNo.
TAM000217
作品No.
巻物107-8
画像No.
47103-1
作品名
葉月物語絵巻_第四段 絵
年代
平安時代
制作年
12世紀
材質・形状
紙本著色
寸法
縦23.4 横21.9
指定
重要文化財
所蔵先
徳川美術館
画像データ
13.0MB
解説
11世紀中頃から12世紀始頃に成立したとみられる逸名物語を絵画化した絵巻の、詞・絵ともに各六段からなる残巻である。「葉月物語」の名称は、この絵巻第一段詞書の冒頭「八月(はつき)十よひしもつかたなる所に・・・」の語句にちなんで、近年便宜的に名付けられた。物語の展開は詳らかにしえないが、現存部分では、大将と姫君、宮と女君の二組の複雑な恋愛物語、あるいは軽いタッチの宮廷恋愛遊戯譚、継子譚の要素のある恋愛物語などの見解が示されている。絵には各段にわたり補筆が認められるが、12世紀半ば頃の製作とみなされる。「源氏物語絵巻」につぐ物語絵巻の遺例として貴重な存在となっている。
第一段 秋も半ばの八月中頃、下京あたりに人目を忍んでいる姫君のところへ男君が訪ねてくる場面
第二段 男君が二・三歳のかわいらしい幼児に、姫君への手紙を届けさせる場面
第三段 文の使いとして訪れた貴公子(播磨守)と室内でその手紙を読む女君、したり顔に燻らせた香を扇で煽ぐ主人を描く場面
第四段 宮と女君との露顕の儀の場面
第五段 秋の夕べ、前栽にすだく鈴虫の音に合わせて宮や大将たちが管弦に興じる場面
第六段 どこからか赤子を授かった后宮が、本当に出産したかのように里邸に産屋を設え、乳母に赤子を抱かせている場面
詞書は、金銀泥で秋草や稲田・紅葉などの景物を描き出した料紙に、くねくねと筆をうねらせた個性の強い書風でしたためられている。後二条天皇(1285~1308)の宸筆と伝えられているが、もとより確証はなく、書風や料紙の装飾から見て、14世紀初期頃に詞書のみが何らかの理由で書き改められたと考えられる。