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Photo : Kobe City Museum / DNPartcom
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コレクションNo.
KCM000046
作品No.
23章-005
画像No.
KCM000046
作品名
蒔絵南蛮人文鞍
作家名
越前北庄 井関作
分類
南蛮美術
年代
慶長9年(1604)
材質・形状
木、漆、環状部銅
寸法
高27.5 幅35.9 (後輪)高26.5 幅40.1
所蔵先
神戸市立博物館
画像データ
25.8MB
解説
総体に黒漆をかけ、前輪(まえわ)、後輪(しずわ)の表に薄肉の金銀の蒔絵で南蛮人意匠を加飾した海有水干鞍(うみありすいかんぐら)。他の鞍と比べて小ぶりで、子ども用ではないか、という推論がある。山形(やまがた)、洲浜形(すはまがた)、居木先(いぎさき)の表面は沃懸地(いかけじ)仕上げとなっている。「しおで」には梅文を散らしている。軍配を手にするなど和洋化が見られ、また和風文様の衣装をまとった種々のポーズを取る南蛮人、その従者たちの意匠は、雅趣に富んでいる。金蒔絵はわずかに銀や銅を含む金を蒔き、銀色の平文(ひょうもん)部分には、錫(すず)の薄板、ならびに銀の薄板が併用されている。平文の接着に用いた赤色漆は、ベンガラ(鉄)で着色されたもので、おきめ(下書き線)には朱(水銀)で着色された漆が使用されていると推定される。居木裏(いぎうら)に「慶長九 七月吉日 於越州北庄」「井関造之」という黒漆による銘文ならびに花押が記され、力革通穴の内側に「◇」という井関の細工印が切られている。1604年に越前の国・北庄(きたのしょう)(現福井市の旧名)で製作されたことがわかる。井関は、近江の国北郡七条(現滋賀県長浜市)出身の鞍部の家系で、鞍とともに面(おもて)(能面)を打った。諸資料から慶長期の北庄に「井関太郎次郎」という名の鞍打が居住していたという推定があるが、本作の作者かどうか明らかではない。鞍の基準作例で、南蛮趣味を知る上でも重要な作例。
注釈
池長コレクション【名品2008】、1背