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作品詳細

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Photo : Kobe City Museum / DNPartcom
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コレクションNo.
KCM000003X05
作品No.
01章-屏003
画像No.
KCM000003X05
 
 
作品名
泰西王侯騎馬図
 
 
分類
南蛮美術
年代
江戸時代初期、17世紀初期
材質・形状
紙本金地著色
寸法
各166.2×460.4
指定
重要文化財
 
 
所蔵先
神戸市立博物館
画像データ
56.9MB
解説
 福島・会津若松の鶴ヶ城(若松城)に伝来した屏風。もとは8枚のまくりであった作例を、池長孟が購入後、現状の4曲の屏風に仕立て、金具なども新調している。対をなす4曲1双の騎馬図屏風あは東京・サントリー美術館に所蔵されている。本図は、画面左から神聖ローマ皇帝ルドルフ2世、トルコ王、モスクワ大公、タタール汗(かん)を表している。キリスト教と異教の王が対峙(たいじ)する図像だが、サントリー本はそうした配置ではなく、それぞれ動と静の構図をふりわけていると考えた方が自然だろう。本図でひときわ優美に描かれた左のルドルフ2世は反宗教改革の推進者で、イエズス会と近しい思想的位置にあり、日本布教を推進する同会が制作に関わったことの傍証となる。騎馬像の原図は、アムステルダム刊行の1606~07年のウィレム・J・ブラウ世界地図を、1609年にカエリウスが改訂した大型の壁掛け世界地図(現存しない)の上部装飾にあると想定される。このモチーフを約40倍に拡大、改変している。地図の長崎到着時期を考慮し、早くて1611年以降、1614年の大追放頃までの制作が想定されるが、制作期は定説を見ない。イエズス会からの政治的な贈り物であったのだろう。西洋騎馬像や戦闘図を日本の武人が好んだからである。騎馬像の雄渾(ゆうこん)さを表現する主題、さらに地平線を設定し、馬や人物が画面「奥の空間」に体を向ける短縮法、事物の投影や肉付けの陰影など表現は西洋風だが、朱地に押された金箔、下書きに見られる墨の筆勢(X線調査による)、彩色の顔料などは日本画の手法で、本図はこれまでの日本絵画にはない和洋折衷の試みと、高い品格を示している。
注釈
池長コレクション重要文化財館蔵名品100選、4曲1双