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福岡市博物館所蔵 画像提供:福岡市博物館 / DNPartcom
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コレクションNo.
FCM1998P023110001
画像No.
1998P023110001
作品名
ポッポ膳
作家名
不詳
分類
考古遺物
年代
大正時代 大正13(1924)年
材質・形状
木製・杉材 曲者 泥絵
寸法
縦27.5 横27.7 高19.5
所蔵先
福岡市博物館
画像データ
10.0MB
解説
3歳は子どもの成長の中で重要な区切りの時とされている。今や七五三という汎用性(はんようせい)の高い、言い換えれば地域ごとの風習の違いを気にかけずにすむ儀式の中に組み込まれ消滅してはいるが、かつてこの歳には髪置(かみお)きといって髪を伸ばし始める儀式や、紐解(かみと)きといって紐付きの一つ身から三つ身の着物に移る儀式が行われていた。こうした祝いの席では、それまで母の膳のものを分けてもらっていた子どもに初めて自分の膳が与えられ、箸を使って正式な食事を取り始める儀式が行われた。福岡ではこれをお膳座(ぜんずわ)りといい、また真菜(まな)の祝いとも呼んだ。
鳥の幼児語であるポッポがその名となったように、お膳座りで使われた白木の膳には松竹梅や鶴亀など縁起良い絵が描かれていた。この特徴ある杉の膳は東区箱崎(はこざき)や馬出(まいだし)で作られていた箱崎曲物(はこざきまげもの)で、福岡のみならず周辺郡部においてもほとんどこれを用い、お膳座りに限らず節句や正月のような晴れの日にはこれを使い続けたという。
他の多くの地方が、3歳の祝いに普段使いの箱膳のみを新調したことを考えると、ポッポ膳は福岡、特に博多という限られた地域における一種の流行だったと見ることができる。そしてこのことは、博多の文化的影響力が具体的にどのあたりまで広がっているかを見定めるひとつの指標となるのである。
【ID Number1998P02311】参考文献:『福岡市博物館名品図録』
注釈
参考文献:『福岡市博物館名品図録』 裏墨書「敏助」(三男、大正13年生) 両足竹・松の図 正面竹図 左右梅図(白梅) 後方松図膳部分鶴・亀・松・竹・梅図 正月の膳として使用