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福岡市博物館所蔵 画像提供:福岡市博物館 / DNPartcom
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コレクションNo.
FCM1993B04922
画像No.
1993B04922
作品名
几帳檜扇文様振袖
作家名
不詳
分類
服飾
年代
江戸時代 18世紀
材質・形状
染分縮緬地・友禅染
寸法
裄59.0 丈148.0
所蔵先
福岡市博物館
画像データ
6.9MB
解説
本館が所蔵する旧吉川観方コレクションの要の一つに、近世の小袖が挙げられる。本品は、雲形(くもがた)に染め分けた縮緬(ちりめん)地に几帳(きちょう)と檜扇(ひおうぎ)を友禅染(ゆうぜんぞめ)で表している。友禅染とは、口金付(くちがねつき)の漏斗状(ろうとじょう)の袋から絞り出す糊の線で文様の輪郭を防染する「糸目糊置(いとめのりおき)」と、その内側を多彩な色で塗り込める「色挿し(いろさし)」からなる染色技法であり、自在な色遣(いろづか)いで絵画的な文様を表すことを得意とした。
17世紀後半、町人が経済力を持つに従い、町人女性たちも金糸を綴(と)じ付けた刺繍(ししゅう)や手間のかかる鹿子絞(かのこしぼり)によって豪華に彩られた小袖を身に纏(まと)うようになった。しかし、天和3年(1683)、幕府により総鹿子や金糸の刺繍を施した衣服が禁じられると、これに抵触しない染文様によって小袖を彩ることが盛んになった。なかでも、多彩な絵画的表現が可能な友禅染は、一世を風靡し、染色技法の主役の地位を確立したのである。
文様に見られる几帳や檜扇は、王朝文化の雅(みやび)なイメージを投影するモチーフである。絞り染による雲形の滲んだ輪郭や蔓草状(つるくさじょう)に連なる鹿子と、糸目糊による明確な輪郭線のコントラストは、文様をいっそう趣(おもむき)深いものにしている。なお、全体の絵柄が連続していないのは、一度引き解かれてバラバラになった各部が再び小袖のかたちに仕立て直されたからであろう。【ID Number1993B04922】参考文献:『福岡市博物館名品図録』
注釈
参考文献:『福岡市博物館名品図録』