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福岡市博物館所蔵 画像提供:福岡市博物館 / DNPartcom
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コレクションNo.
FCM1992B00011
画像No.
1992B00011
作品名
石室善玖墨蹟
作家名
署名:石室老衲善玖(朱文方印)(朱文方印)
分類
書画
年代
南北朝時代 応安2(1369)年9月仲澣
材質・形状
紙本墨書 掛幅装
寸法
25.0×39.2
所蔵先
福岡市博物館
画像データ
14.0MB
解説
博多では、12世紀前半に、当地を拠点に海外貿易で巨利を得た宋商人を檀越(だんおつ)として、聖福寺(しょうふくじ)・承天寺(じょうてんじ)が相次いで建立され、禅宗初伝の地に相応しい国際性に富む禅宗が広まった。 筑前国姪浜(めいのはま)(現福岡市西区姪浜)生まれの石室善玖(せきしつぜんきゅう)は、文保(ぶんぽ)2(1318)年、26歳で入元し、当時もっとも高名を博した古林清茂(くりんせいも)に参じて印可(いんか)を得、貞和(じょうわ)2(1346)年以前に帰朝し、多々良顕孝寺(けんこうじ)(1347年)、博多聖福寺(1352年)に住した。後に、京都の万寿寺・天龍寺、鎌倉の建長寺・円覚寺といった五山に歴住する。善玖は偈頌(げじゅ)にすぐれ五山文学に影響を与え、墨蹟(ぼくせき)にも秀で好事家の珍重するところとなった。
この墨蹟は、雪山曇公餞別偈(せつざんどんこうせんべつげ)と呼ばれ、善玖のもとに参じた若い禅僧が師匠の許へ帰るに際し、彼の師の詩文を評して餞としたものである。また、この墨蹟は茶掛けとして伝来したが、茶道において掛物は道具の第一とされ、なかでも禅僧の墨蹟がもっとも珍重される。江戸時代中期に茶道が発展すると、茶道の精神を禅の教えに求めたため、禅僧の悟りを示す墨蹟が重んじられた。
釈文:秋興賦成、下巨峰、思題普翆雪中松、莫言、佳句賞音少、八十師翁敲唱濃、雪山曇公記室促装 帰省 乃翁普翆法観之室、 臨行参云、野偈為餞云、応安二祀菊月仲澣 石室老衲 善玖(朱文方印)(朱文方印)
【ID Number1992B00011】参考文献:『福岡市博物館名品図録』
注釈
参考文献:『福岡市博物館名品図録』 本文:「倩□ 」(朱文長方印)